「採卵前だけ高級サプリを飲む」「移植直前だけカフェイン断ち」——
テスト前の一夜漬けのように“直前だけ頑張る妊活”をしていませんか?
残念ながら、卵子・精子・子宮内環境は数か月〜数年の生活習慣の積み重ねで作られます。
本記事では、人工授精(AIH)体外受精(IVF)で結果を出すために、いつ・何に取り組むべきかを詳しく解説します。

目次

  1. 直前努力が通用しない 4 つの科学的理由
  2. 妊娠率を左右する “積み重ね要素”
  3. 3〜6 か月前から始める妊活タイムライン
  4. 当院のサポート事例
  5. 今日からできる 5 つのアクション
  6. よくある質問

1. 直前努力が通用しない 4 つの科学的理由

  • 卵子の成熟期間は約 90〜180 日…採卵直前の生活改善では間に合わない。
  • 精子形成は約 72 日…射精直前の禁欲やサプリだけでは質を高められない。
  • 子宮内膜は 1 周期で再生…炎症や血流不足は“その場しのぎ”では改善困難。
  • ホルモン・自律神経は習慣で整う…ストレス解消も短期集中より継続がカギ。

2. 妊娠率を左右する “積み重ね要素”

① 卵子&精子のミトコンドリア機能

抗酸化栄養素(ビタミン C・E、コエンザイム Q10)を 3 か月以上継続摂取することでミトコンドリア活性が期待できます。

② 子宮・卵巣血流

温活・適度な運動・鍼灸の 週 1〜2 回が効果的。単発のよもぎ蒸しでは一時的にしか温まりません。

③ ホルモンバランス

睡眠パターンを整え メラトニン分泌を安定させることがエストロゲン・プロゲステロンに影響します。

④ 体組成とインスリン感受性

BMI 19〜23、体脂肪 20〜28% が理想。過度な糖質制限をイベント的に行うとリバウンドによって逆効果です。

3. 3〜6 か月前から始める妊活タイムライン

時期 主な取り組み 目的
6 か月前 生活習慣全体を見直し
禁煙・節酒・栄養評価
卵子・精子 DNA ダメージを軽減
3 か月前 鍼灸・サプリメント開始
筋トレ&有酸素運動
血流・ホルモン・体組成を最適化
1 か月前 ストレスマネジメント強化
睡眠 7 時間確保
自律神経を整え内膜環境を安定
メイン周期 採卵/移植スケジュールに合わせ
鍼灸で血流キープ
着床率アップ

4. 当院のサポート事例

Case|35 歳・人工授精 4 回陰性 → IVF 2 回目で陽性

・AIH では毎回直前だけ禁酒・カフェイン断ち。
・IVF へ切り替え前に 4 か月間の鍼灸+生活改善プログラムを実施。
・採卵数 5 → 12、胚盤胞率 20% → 60% に向上し、2 回目移植で妊娠。

5. 今日からできる 5 つのアクション

  • 夫婦で禁煙宣言…精子 DNA 断片化を 3 か月で改善。
  • 婦人体温計を購入…排卵パターンを把握。
  • 毎日 30 分ウォーキング…骨盤血流アップ。
  • 就寝前スマホ断ち…メラトニン分泌を守る。
  • 週 1 回の鍼灸通院…自律神経調整&温活。

6. よくある質問

Q. 採卵前だけ高額サプリを飲めば効果はありますか?

A. 卵子の質向上には 3 か月以上の継続が必要です。短期集中だけでは不十分です。

Q. 仕事が忙しく長期プランを組めないのですが?

A. 1 日 10 分のストレッチや食事バランス改善など、小さな習慣でも積み重ねると大きな差が出ます。


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