「暑いから今日はウォーキングを休もう」「食欲がないから冷たい麺だけでいいや」──夏になると、妊活中とはいえ生活習慣が乱れがち。しかし、夏は体質改善のゴールデンタイム。スポーツで言う“夏トレ”や、受験勉強で言う“夏を制す者は受験を制す”と同じく、夏を制したカップルこそ妊活を制します。
目次
1. 暑さが妊活に与える科学的影響
① 睡眠の質が低下しホルモンバランスが乱れる
室温が28℃を超えると深部体温が下がらず、睡眠が浅くなります。
メラトニン分泌の低下は、女性ホルモンのリズムや精子の質にも影響します。
② 発汗によるミネラル損失と血流低下
汗とともに亜鉛・マグネシウムが失われ、卵子・精子の成熟に必要なミネラルが不足しがち。
加えて脱水により血液粘度が上がり、子宮・卵巣・睾丸の血流が低下します。
③ 自律神経の乱れは着床率を下げる
暑さストレスで交感神経優位になると、子宮内膜の血流が減少し着床環境が悪化します。
2. 夏に手を抜きやすい「3大ポイント」
- 食事: 冷たい麺・アイス・清涼飲料で糖質過多&栄養不足
- 運動: 屋外を避けて歩数激減、筋力低下で基礎代謝ダウン
- 睡眠: エアコン調整不足や夜更かしで深睡眠が減少
3. 「夏を制する」5つの実践法
① 夕方〜早朝のクールタイム運動
気温が下がる夜明け前 or 夕方以降に30分のウォーキング。外気が難しい日は室内でヨガやストレッチ。
② 冷えすぎ注意!エアコン28℃設定
「冷房病」も妊活の敵。湿度50–60%に保ち、足元はレッグウォーマーで温活。
③ 「和+地中海」食でミネラル&抗酸化チャージ
- ぬるめの味噌汁+旬野菜
- 青魚のEPA/DHAで抗炎症
- オリーブオイルとトマトでリコピン吸収UP
④ 発汗後30分以内のリカバリードリンク
麦茶+塩ひとつまみ+はちみつで
電解質と速攻エネルギーを同時補給。
⑤ 鍼灸・よもぎ蒸しで自律神経リセット
当院では夏こそ冷えのぼせ・睡眠の質改善を目的に鍼灸+よもぎ蒸しを推奨。
週1回の施術で平均基礎体温が0.2℃上がったデータも。
4. 「夏を制して授かった」成功ケース
35歳女性・2回流産歴あり。夏期の3か月間に
①夕方ウォーキング → 歩数1.5万/日
②エアコン28℃+足湯
③週1鍼灸+自宅温灸
を徹底。秋の採卵で成熟卵9/9、受精卵9/9、移植1回で陽性。現在妊娠20週。
5. まとめ:夏の過ごし方が妊活の未来を変える
暑さを理由にペースダウンしてしまうか、暑さを味方につけ体質改善に集中するか。
この分岐点が秋以降の採卵成績・着床率に直結します。
スポーツや受験と同じく、「夏を制する者」が妊活を制するのです。