産後に骨盤がゆがみやすい理由

妊娠後期から出産にかけて分泌されるリラキシンというホルモンは、赤ちゃんが産道を通りやすいように靭帯をゆるめ、骨盤を開きます。出産後もホルモン濃度が元に戻るまでには 3〜4 カ月ほどかかり、その間に抱っこ・授乳の姿勢や睡眠不足が重なると骨盤は元の位置へ戻りにくくなります。

骨盤のゆがみが招く主な不調

  • 腰痛・坐骨神経痛
  • ぽっこりお腹や下半身太り
  • 尿漏れ・恥骨痛
  • 冷え・むくみ
  • 慢性疲労・自律神経の乱れ

こうした不調は「産後だから仕方ない」と放置しがちですが、適切なケアで大幅に改善できるケースが少なくありません。

鍼灸治療で骨盤を整えるメカニズム

鍼灸では、骨盤周囲の筋肉や靭帯に関連するツボに刺激を与え、血流を促進して炎症や痛みを和らげます。さらに、経絡のバランスを整えることで自律神経が安定し、ホルモン分泌の正常化を後押しします。

一般的な骨盤矯正が「構造を整える」アプローチだとすれば、鍼灸は「機能を整える」アプローチ。双方を組み合わせることで、骨格と筋機能の両面から回復を早めます。

自宅でできるセルフケア3選

  1. 骨盤ベルトの正しい着用
    恥骨と腸骨を水平に締める位置で1日数時間。
  2. 骨盤底筋エクササイズ
    呼吸に合わせてキュッと締め、5秒キープ×10回を1日2セット。
  3. 温め+ストレッチ
    仙骨にホットパック→股関節の軽いストレッチで血流改善。

よくある質問

Q. 産後いつから受けられますか?

A. 目安は産後4週間以降、出血が落ち着いてから。帝王切開の場合は医師の許可後に行います。

Q. 痛みはありませんか?

A. 鍼は髪の毛ほどの細さで、ほとんど痛みを感じません。温灸も心地よい温かさです。

Q. 何回通えばいいですか?

A. 状態によりますが、週1ペースで5〜8回を目安に、その後は月1のメンテナンスを推奨しています。

まとめ

産後の骨盤ケアはタイミングが大切。鍼灸治療を組み合わせることで、痛みの緩和・体型の戻り・体調管理を同時にサポートできます。無理なく続けるためにも、プロの施術とセルフケアを上手に組み合わせましょう。

※本記事は一般的な健康情報であり、診断や治療行為を目的としたものではありません。症状が強い場合や医療上の疑問がある場合は必ず医師にご相談ください。