血を中心に考えてみると、東洋医学の血(けつ)というものは、西洋医学で言う血液とほぼ同じ概念だと考えても支障ありません。
妊娠をするためには、十分に栄養を含んだ血液が必要です。
卵胞の成長にも、子宮内膜の肥厚にも、赤ちゃんの成長にも、材料になる血(栄養) は必要です。
その血を作るためには、消化吸収する力や、栄養を含んだ食事が必要になります。
消化吸収機能は、東洋医学では脾(ひ)という臓器が行います。
さらに血を造るには西洋医学的に骨髄機能が大事ですが、東洋医学的には腎(じん)の機能が重要な役割を担っていおり、その造られた血は、肝(かん)に蓄えられます。
この肝脾腎の3つの臓腑は、妊活において特に重要とされるため、3つの臓腑の経絡が通る、三陰交(さんいんこう)というツボが、妊活にはよく使用されます。
☆ 三陰交:内くるぶしのから、上指4本分にあります
血を滞らせないことも大事です。
血は滞ると固まりやすくなる性質があります。
循環が悪くなり固まった血のことを、東洋医学では瘀血(おけつ)と言います。
東洋医学で言う瘀血は、西洋医学的には子宮筋腫や子宮内膜症の方によく見られ、多嚢胞性卵巣症候群の一部の方にも当てはまります。
そのため、こうした婦人科疾患をお持ちの方は、血を滞らせないことが重要です。
血液の循環を考えると、東洋医学では肝の働きを制御することと、肺の働きを活性化すること、さらに血液循環をコントロールする、心の機能を適正化することも大事です。
ここまで見た方は、もうお気づきかもしれませんが、結局は五臓の働き全てが重要で、三陰交にお灸や鍼をしたからといって、妊娠をするわけではないということです。